合田道人

童謡謎解きマップ

合田道人が多くの童謡の謎を解きます

はないちもんめ

わらべ歌

 小さい頃から遊びながら歌った歌に「はないちもんめ」があります。

 ♪あの娘がほしい あの娘じゃわからん……と歌うわらべ歌には、何か謎が隠されているのではないかと、ずっと思ってきました。♪ふるさともとめて(地方によっては、♪ふるさとまとめて)はないちもんめ……とは何なのか? と、言うことです。

 この花、菜の花やユリやキキョウといった、いわゆる草花とは違うようです。花とは花代、いわば娼婦や芸妓たちに支払うお金のことを言っているようなのです。では、“いちもんめ”とは? いちもんめとは、重さの単位でもありますが、もちろんお金の単位でもあります。いちもんめとはとても安い値段。安い値段で花、つまり女を買うと言うことになるのです。

 それは安いお金で遊郭に売られてゆく女の子のことだったのです。♪ふるさとまとめて……は、生まれ故郷を整理して出てゆく。また♪ふるさともとめて…… は、新しい第二のふるさとを目指して、つまり人身売買されて遊郭に売られて行くという意味合いだったのです。

 先日の新聞に、こんな記事が載せられていました。
ネットオークションで、3人のベトナムの少女を競売にかけるという話です。出品価格は5400ドル、日本円にして60万円ほど。結局、成立前にオークション開催のサイト側が取引を停止、サイト上から削除しましたが、まだまだこういった人身売買は世界の中ではあるのです。

 この「はないちもんめ」などを書いた「童謡の謎 1」の内容の歌を聞きながら読もう……と関連したCD「童謡のなぞとき 1」では、アグネス・チャンにこの歌を歌ってもらっていますが、アグネスがぽつりと言っていました。「まだ中国の山奥や辺鄙な場所では、人身売買が実際にあるんですよ。これは決して古い話だと片付けてはいけないのです」。

 貧しさのために、娘を働きに出すのは、日本でも数十年前までは、はびこっていたのです。その中でもっとも親に支払われる金が高かったのは、体をひさぐ商売だったのです。悲しい、胸が苦しくなってくるそんな裏話が潜む歌だったのです。

この謎解きが入っている本とCD

四六版「案外知らずに歌ってた 童謡の謎」(1,500円+税)
文庫本「案外知らずに歌ってた 童謡の謎」(税込600円)
CD「童謡のなぞとき」 (20曲入クラウン)歌:アグネス・チャン(税込1,500円)