合田道人

童謡謎解きマップ

合田道人が多くの童謡の謎を解きます

村祭

文部省唱歌

 来年春から使われる小学校の音楽教科書に、なつかしい唱歌や童謡が復活することが決まりました。とっても嬉しいニュースです。お父さん、お母さんや学校の先生が、歌い継がれた童謡や唱歌を教えなかった時代が長く続きました。

 私も講演で「童謡を歌わない子供が多くなったと、よく言われますがそれは大人が教えないからです」と言ってきました。

 私の『童謡の謎』の本発売以来、一種の童謡唱歌ブームが起こって昨年あたりは、童謡唱歌の本が20冊も書店に並べられましたが、この一〜二年で童謡唱歌をめぐる環境はかなり変わったことは確かです。「古めかしい。歌詩が難しい」という理由だけで削除されていた童謡唱歌が、ブームもあって教科書に舞い戻るのです。

 私も必ずと言っていいほど講演やコンサートで取り上げる「月の沙漠」や「浜千鳥」など、一度教科書から消えた歌が13曲も復活するのです。私が『童謡の謎 3』に書いた「村祭」、そう♪村の鎮守の神様の……も復活です。実はこの「3」の中で、この歌の謎とは「なぜ、この歌は学校で教えなくなったのか?」でした。

 その理由はなんと、町村合併で兵庫や香川などの県内から村がなくなったためという理由だったのです。日本全国の子供が習う教科書、当然、兵庫の子も香川の子も習います。しかし村がないのだからこの歌は不釣合いとして教科書から消えたのです。

 私は本の中で、「ちょっと信じがたい話だと思わないだろうか? この歌には、日本の祭りのルーツ、主食である米を作るまでの農民の苦労、苦しみから解放されたときの喜びが描かれているのである。“日本は美しい国である”、“日本人は働き者である”というメッセージが込められているのである。それを“もう村がないから、この歌は時代遅れ”だとは……。今、日本語の大切さや文化の継承が叫ばれている。こういった古きよき時代の教訓こそ、しっかり子孫に受け継がなければならないのではなかろうか。それなら「村祭」は、絶対忘れてはいけない歌だったのではあるまいか……」と書きました。

 この願いが届いた気がするのです。来年から3年生の教科書に「村祭」が復活します。秋に『童謡の謎 3』の文庫化が決定しています。教科書復活が決まった今、私の本からこの歌が反対に消えていいのです。嬉しい消失、または大きな加筆となるでしょう。是非、単行本があるうちにこの「村祭」の歴史も憶えておいてほしいと思います。

この謎解きが入っている本とCD

文庫本「こんなに深い意味だった 童謡の謎3」(税込600円)
CD「童謡の謎 3」(祥友1,500円)