合田道人

童謡謎解きマップ

合田道人が多くの童謡の謎を解きます

毬と殿さま

作詞:西條八十 作曲:中山晋平(昭和4年発表)

和歌山熊野枯木灘県立自然公園内「日本・童謡の園」 この歌の謎もよく質問されます。

 ♪てんてんてんまり てんてまり……と遊んでいた子供の手からはなれて、毬が大名行列のお殿様のかごの上に飛んでゆく。そして紀州の殿様に抱かれて、毬は旅をする。その毬がいつのまにか、紀州名物のみかんになるという、まったくもって奇想天外なストーリーです。

 実はこの歌には、当時の大名行列に対する、つまりお上に対する、口には出して言えない怒りや思いが散りばめられていると言われます。

 あの「ずいずいずっころばし」(案外知らずに歌ってた 童謡の謎に収録)も、その行列に関している歌なのですが、行列が通り過ぎるまで「下へー 下へ」と、庶民はずっと顔をふせていなければなりません。大変なことです。

 もしも無作法があったら、その頃は斬捨て御免がまかり通っていた。当然、毬が、おかごの上なんかに乗ってしまえば……。

 当時、毬を追って行列に入り込んでしまった女の子が、その場で殺されたという事実も残されています。そんなところを中心に本の中では、“みかん”は何にたとえられているのか?を推察しています。

この謎解きが詳しく載っている本

「童謡の秘密 知ってるようで知らなかった」(税込1,400円)