合田道人

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「大利根月夜」(2004年3月第20号より)

 私の構成、司会でここ数年、「再現!想い出の紅白歌合戦」というコンサートを全国各地で開催している。

 5月26日はとうとう私の故郷、札幌厚生年金ホールで行う。この「再現!紅白」は実際の「紅白」に出場経験がある人しか出演できないというルールを敷いている。出場当時の想い出を語ってもらい歌ってもらうのだ。入場行進に選手宣誓、審査員は会場のお客様。勝敗を決める最後のボールは出演者の誰かのサイン入りというワクワク感満載のショーである。今回の札幌公演は白組が田端義夫、岡本敦郎、山田真二、新川二郎、赤組が菅原都々子、畠山みどり、渚ゆう子、岸千恵子の豪華メンバー。必ず出場曲のほかに「紅白」で歌わなかった名曲も歌ってもらうことにしているが、意外や"この人のこの一曲"を「紅白」で歌っていない。今年86歳の田端義夫は、あの十八番「大利根月夜」を歌ったことがない。
確かに「紅白」開始以前の発売曲だが今なお人の心に残っている不朽の名作、一度ぐらい披露していてもいいはず。ところが田端は「紅白」に初出場したのも昭和38(1963)年、「島育ち」がヒットした年と遅いのである。

 なぜ? 実は当時、看板スターは正月興行で忙しかった。飛行機などなくそれこそ北海道や九州で正月公演だったら、暮れの28日には東京を出発しなければならなかったのだ。多忙イコール不出場ということだったのである。